この前から言ってる、新しく入った女の子は、クリスのことが、すごくすごく、すごーーーーく、きらいです。
しかもどういうわけか、クリスだけがそれに気づいてないみたい…っていうか、ホントに気づいてないのかな。どっからどう見ても、いじめられてるんですけど…べつにどうでもいいと思ってるのかな…?でも、クリスの考えてることなんて、わかるわけない。どうしてママに言いつけないんだろう。
…っていうか、「わたしと席交代しなよ」って、ずっと言ってるのに、なんでしないんだろうw 一番前に座りたくないから?スージィは、ぜっったい、わたしのことはいじめない。「今のはいじめるとこでしょ!」っていうときでさえ。だから…わたしと席かわればいいのに!そのほうがみんな安全だよー(〃≧ェ≦)
で、今日も信じられないことがありました…w
チャイムが鳴って、いつもどおりみんな競争みたいにダッシュで教室から出ていって、でもわたしは少し教室に残って、アルフィー先生が教科書しまうの手伝ったり、なぜか行方不明になった教室の備品を探すの手伝ったり(ˉ ˘ ˉ; )してた。クリスはまっしろなノートの上につっぷしてまだねてて、なぜかスージィも、教室に残ってた。スージィは自分の席に座ったまま、クリスの頭…?をじーっと見てて…っていうか、ニオイをかいでて…???(スージィ、アロマキャンドルとか好きかな?(〃≧ェ≦))
手伝いが終わって、わたしも帰ろうとしたんだけど(しかも、今日は「じゃあね」って声もかけようとした!)、クリスのことがちょっと心配になって、教室の外で…見守る?(;´ー`)ことにした。教室からは見えないように、ホリデー家秘伝の忍法身かくしの術で!だってスージィは、わたしがいなくなるまで何もしないつもりっぽかったから。
しばらくして、スージィがイスを派手にたおして立ち上がって、アルフィー先生の席に座って、机の上にクツのまま足をのっけて、そこらじゅう土まみれにした(あとでわたしがそうじすることになるんだろうな(ˉ ˘ ˉ; ))
スージィは、何日か前にバードリーがアルフィー先生にあげたリンゴ(アルフィー先生が絶対食べないやつ(ˉ ˘ ˉ; ))をつかんで、それをかかげながら、「おい、そこのマヌケ」って言った。
クリスは顔を上げなくて、スージィはもう一度「おい!そこのマヌケ!」って言ったけど、それでもクリスは無反応で…
で、「クリス!」って呼ばれて、やっと顔を上げた。スージィはあきれたみたいに天井を見て、それから、“コワかっこいい”歯をグワッと見せて、「おまえ、いいシャンプー使ってんな。リンゴのニオイか?オレの前でそういうニオイさせてっと、キケンだぜ」って言って…
…手に持ってたリンゴを、ガブッっと半分かじり取った。芯ごと。種まで食べちゃってた… 念のため言っとくと、リンゴの種にはヒ素がふくまれてるんだよー(〃≧ェ≦) スージィ、リンゴの種は食べちゃダメだよー… って、それは置いといて… クリスはそれでもノーリアクションで、スージィは、「リンゴみてェな顔でニヤけやがって… てめェもこうなりてェのか?」って言った。
けど、クリスはやっぱりノーリアクションだった。
で、スージィはリンゴを指さしながら、「…この、リンゴみてェに…半分かじり取られてェのか?」って言って…
…すごーく気まずいちんもくが流れた。
そのとき、「フッ…」って笑い声がした。でもそれはスージィの声じゃなくて…
クリスが、なんとか笑いをこらえてる声だった。
スージィがちょっと独特なジョークを言ったとでも思ったのかな?(ˉ ˘ ˉ; )
わかんないけど、とにかくスージィはバカにされたと思ったみたいで、すかさず持ってたリンゴをクリスに投げつけた。
でもクリスはゲーマーだから反射神経めちゃくちゃよくて(≧∇≦) ノートを盾みたいに持って、リンゴをななめにブロックしてはじきとばして…
…そのまま、リンゴをキャッチした。
…
そして、かじった。
それを見たスージィのおこりっぷりは、本当にすさまじくて…
「て…ンめェ…」って言って、クリスにかけよって、かみの毛つかんで、顔をすんごく近づけてガン飛ばして… わたしはもう、動けなかった。このまま何もしなかったら、クリスはケガをするか…それだけじゃすまないかもってわかってたけど…とにかく、わたしの中の何かがこおりついたみたいになっちゃって… 息を殺して、その場に立ちつくしてた。
「てめェ、キメェんだよ。そのうちママにも見捨てられっぞ?」
そう言ってスージィは笑って、わたしは胸がものすごくムカムカした。
「そうなったら…てめェはだれかに消されちまうかもな。そしたら、てめェのママは気づくんだ。てめェがいなくなって、どんだけせいせいしたか」
そんなことまで言われても、クリスはだまったままで…
…で、スージィはとうとう、バクハツした。
「なんとか言ったらどうなんだよ、このクソどマヌケが!!!」
教室の中に、永遠にひびきわたるんじゃないかと思うような声だった。
…しばらくして、あたりがまたシーンと静まりかえったとき…
クリスの口が動いたように見えた。
正直、ほんの少―ししか動かなかったから、ホントに何か言ったのかはわからない。だけど、そのしゅんかんにスージィの態度が変わった。
クリスのかみから手をはなして、急にうしろにさがって、そのままものすごい速さで教室を出ていった。授業が終わってすぐだったら、教室脱出レース、よゆうで優勝だったと思う。
スージィがどんな反応したのかすごく気になったけど、見つかるのがこわくて、わたしは急いで自分のロッカーの中にかくれちゃった。
結局、ロッカーのすきまから見えたのは、スージィのうしろ姿のシルエットだけ。うなだれてるみたいなかっこうで、出入り口のほうへ向かっていって…
…そして、とびらが閉まる音が聞こえた。
わたしは思わずため息をついて、そしたら、胸の中にたまってたこおりついたみたいな感覚が、一気に体からぬけてくような感じがした。「はぁー、びっくりしたぁ!オドロキ、モミの木、クルミ割り!」ってひとりごと言ったら、ホッとして笑い出しそうになっちゃった。
そのとき、ロッカーのとびらがとつぜん、勢いよく開いて…
…クリスが立ってた。
とっさに、「あ、クリス、元気?」って言おうとしたら、クリスはそのまま、すごーくゆっくりとびらを閉めて、どこかへ行っちゃった…
…ってことが、この前、ありました!w(〃≧ェ≦)
ちなみに、リンゴのシャンプー注文しました。わたしもそれ使ったら、スージィはクリスをあんまりいじめなくなるかな…w